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【設立】斬法総合研究所(きほうそうごうけんきゅうじょ)略称:斬総研(きそうけん)

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先日のブログから度々書いて入るが、今仲間とともに真剣斬法(しんけんきほう)をテーマにした新団体を立ち上げている。

名称を斬法総合研究所(きほうそうごうけんきゅうじょ)という。略称は、斬総研(きそうけん)だ。英名を Kihou Research Institute(KRI)という。

この団体はいかなる流儀流派を名乗らず掲げず、武道団体としてではなく公正中立な独立研究機関として設立する。すでにどこかの流派に御所属の剣士達にも開放されるし、武道団体ではないから御所属の団体の併伝禁止規定にも抵触しないと思うが心配であればご所属の団体規約の確認を。

斬総研は流派不問・経験不問であらゆる流派の剣士に開かれた試し斬りの研究機会を提供することをミッションとしている。独自の基本刀法は制定しているが型などは特にない。どんな流派に所属しようが学ぼうが自由だし、むしろそれを研究活動の一環として推奨している。

いくら開かれた公正中立な独立機関であって経験不問だからといって、未経験のド素人に自由に斬らせるというのはそれはそれで考えものだ。刀法をなにも習っていない、習ったことがないということは、そもそも研究者としての土台に立てていない。

つまりテーマ不在で何を研究しようというのか、という話になる。もちろんここからテーマを模索しても良いが、斬ってスカッとしたいという輩はご退場願う。スカッとするのは間違いないがそれは目的ではありえない。スカッとするだけなら必ずしも真剣である必要はない。

誰が言ったのか、型(形)を疎かにすることを「形無し(かたなし)」とは言い得て妙だ。

安全第一の武道サロンを目指して

だからといって素人さんお断り、というわけではない。素人には初心者講習を用意しているし技量に応じたカリキュラムも組んでいる。また、様々な流派の先生方をお招きしての各種武術講習会は随時開催予定だ。そして、テーマなくなんとなくはじめたが、スカッとして気持ちよかったから続けるうちにテーマを見つけた、というのは大歓迎である。

しかしながら、真剣を扱うからにはなにより安全が第一でなければならない。

開かれた、と言っても誰でもOKというわけではない。入会には面接が必須だし、既存メンバーの承認も必要だ。我々の活動理念に賛同できない者や価値観が相容れない者はジョインすることはできないし、危険行為を行うものは退会を求める。さまざまな流派を学ぶ剣士たちが集う武道サロンとなることから、どこの流派が最強だとか最弱だとか、好き嫌いはともかく優劣をつけるような偏った価値観の持ち主も所属できない。

研究所であるからには研究者として、各種流派流儀の長所と短所、特異性と共通性を分けて客観的に分析する姿勢を重視する。武道の業界は方法論の違いについてああだこうだ重箱の隅をつつくような言論合戦(腕前でも業前でもなく)が繰り広げられがちだが、本来の目的に立ち返って考えてみれば方法論の違いなど特異性でしかなく、取るに足らないことに気づく。

流儀流派の証明ではなく、それを活かした己の技量向上人間性向上にシンプルにお役立て頂きたいし、なんちゃって御宗家が金員を得るために印可したような糞の役にも立たない級位や段位に無関係に本当の実力をつけたい人は大歓迎だ。

斬法と刀法

斬法(きほう)というのは刀法に対する概念で、造語である。刀法に対しては刀術という概念が既にあるが、斬法は刀の扱い方に留まらず、「斬る」という行為に関するあらゆる領域を包含するので刀術とも明確に異なる。

斬法(きほう)では「斬る」という結果にこだわるが斬れれば良いというわけでもないし、「斬る」事は目的ではない。「斬らない」のと「斬れない」のは違うし「斬る」のと「斬れる」のも違う。活人剣は殺人剣があるから活人剣たりうる。

刀法は流儀流派に帰属する。そのため、流儀流派ごとに独特な刀法が存在する。その独特な刀法で斬ってみる機会はなかなかないからそれを試してみる場をつくろうというわけだ。日頃修練している流儀流派の技を、またその習熟度を真剣で試してみたい、と思う剣士はきっと多いことだろう。

実はこの試み自体は数年前から行ってはいた。

刀法だけでは斬れないという現実

流派・経験不問で門戸を広く開いたオープン試斬会を開催していた頃、実に様々な流派の剣士達が己の稽古の習熟度をはかりにお忍びで試し斬りしに訪れていた。

世の中にはたくさんの流儀流派が存在するが、現代では真剣を用いて斬る稽古をするところはさほど多くはない。ほとんどは居合刀と呼ぶ模造刀を使用して型の稽古をするに留まっている。

中には安全性や美術工芸品の保全の観点から高段位になるまでもしくは一切真剣の使用を禁止するところも少なくない。(居合や剣術は日本刀=真剣を用いた武術であるのに、それを用いないというのはそれは居合や剣術とは呼ばないのでは?というパラドックスは一旦伏せておく)

そんな状況であるから、各流派で高段者になればなるほど皆さんお忍びでいらっしゃる、とこういうわけだ。そこで、居合・剣術歴がすでに長く高段位の方々に真剣斬法の初心者講習は失礼であるから、彼ら諸流の高段者の皆々様が長年修練を積んできた一番自信のある刀法で斬ってもらう。

するとどうだろう。まぁまず殆どの人が斬ることができない。これは統計データなので、たまたまその人が未熟なだけだったのだろうとということではない。いずれの方々も長年修練を積んでおられる高段者であったりする。

中には、

「私は今まで一体何を斬ってきたのだろう?」

とおっしゃられる方もいた。

また、こればっかり何年も何万編も抜き続けたと自信満々に抜き放った横一文字で畳表の表面をバチンと叩いて圧し折る、という方もおられた。太巻であれば分かるが半巻の細巻ですらそうだ。

「刃が立たない」

というのはこのことを言うのか?と思ったほどだ(本来は「歯が立たない」が正解)。

この場合の刃が立たないというのは、刃筋(刃並や刀線も含む)が通っていない、ということを意味している。試斬や斬法稽古をする意味合いとして重視されているのは「刃筋の稽古」であるが、つまり、実際に斬ることなしに正しい刃筋は手に入らない、もしくは入りにくい、ということが言えるわけで、空間で刀を振るうことは、どこまで行っても「振る」であって「斬る」ではないということなのだ。

もっと言えば、刃筋のみならず手の内も手に入らない。手の内については長くなるので機会を改めよう。

刀法を実現するのが斬法

以上のことは刀法では斬れないのだから刀法を磨いても無意味ということを言っているのではない。

伝承されてきたその刀法で斬ってみて斬れなかったらその刀法は間違っているとして、刀法自体を改変してしまう自称御宗家がいるが、それはいかがなものかとも思う。

そういう勝手なことを十分な検証なしに強い思い込みでやってしまうからどんどん本流・本筋・本質から掛け離れ、特異性ばかりが際立っていき、それを独自性と勘違いした亜流劣化版新派が乱立し、同時代に同代の御宗家が何人も同時多発テロ的に発生することになる。

お互いに本家は自分だ当流だと世間に「正統」をPRすることに熱心となり潰し合いをすることなる。やがて敵は他流ではなく同流の身内にあったという皮肉な現実に遭遇することになる。まったくもって見苦しい事この上ない。武道家の風上にもおけないとはこういうことだ。

伝承されてきた刀法が正しいという前提に立つならば、その刀法で斬るために不足する条件があるはずだ。これ(この刀法)では斬れない、と諦めるのではなく、こうやって伝承されてきているからには、伝承通り斬れないのは刀法の問題ではなく自分の技量の問題で、腕が未熟だからだ、という謙虚な発想を持つべきだ。

斬法は伝承されてきた刀法が正しいという前提のもと、伝承通りの刀法で斬るために不足する条件、刀やそれを扱う者の技量や身体能力に改めて意識を向けてみることを促す。斬れないのは刀法が悪いからではない。それを扱う己の力量が至っていないからだと気づく契機を与える。

すなわち、斬法(きほう)はその刀法で斬るために不足する要件を整備するためにある。その刀法で斬るためであり、刀法のためにあるとも言える。

たとえば、真剣に持ち替えたとき、いつも使っている居合刀のようにいつも通りの刀法で斬って斬れるかというと、これがなかなか斬れないのである。

なぜなら工業製品的に鋳造で作られる居合刀と違い、鍛造で作られる真剣は一本一本が重さも長さも反りも身幅も重ねも異なる一品生産物であるからで、もちろん居合刀に近いスペックのものは斬りやすいだろうし、いつもその真剣で型(形)稽古してしている人であればさほど感覚が変わらずに斬れることだろう。

鋳造の居合刀は型(かた)を、鍛造の真剣は形(かた)を求める。

刀法と斬法の一致、これが斬総研(きそうけん)が最終的に目指す境地であるし、そのためのギャップを埋める研究機会が斬法研究で担っていければと思う。

そして、斬法は刀法のためにあるとすれば、斬総研は世のあらゆる流儀流派と敵対しないし、実験と検証の機会を提供するという本質的機能から、むしろその発展と存続に貢献する立場にある。

刀法は一つ、斬法はそれぞれ

ところで、先程おまかせで斬らせて斬れなかった高段位者の皆様に斬法(きほう)を少しお教えすると、さっき斬れなかったのが嘘のようにスパッと斬れる。

斬法(きほう)とは「その刀」「その身体」で斬るための理法だ。

刀も真剣で一本一本がユニークなら、それを扱う人もそれぞれユニークで、体型も体重も身長も筋力も柔軟性も、そして性格も違う。流派には流派の振り方=刀法があるが、その人にはその人の、その刀には刀の斬り方=斬法が存在する。

刀法を型(かた)とすれば斬法は形(かた)である。

刀法と斬法の一致とは振り方と斬り方の一致、つまり、型(かた)と形(かた)の一致を意味する。同じ袈裟を斬るにしても間合や刀のどの部位で斬るかが異なれば、手の内や斬り手、身体運用も異なる。このことは御約束事の型(形)だけを業じていてもなかなか気づけない。振り方(型)と斬り方(形)が一致してはじめて「斬る」ということが成る。

斬り勘を身につける

斬り勘がついてくると木刀や居合刀を振っているだけでも、斬れたか斬れなかったかが分かるようになってくる。やがてそれが極まってくると他人のそれも一目見てわかるようになる。

素振りさせれば分かるようになるから、経験者で初めて来られた方にはまず基本刀法の素振りを見せてもらうことにしている。それで大体の実力が見て取れる。

最低限この判別が出来るようになってはじめて木刀や居合刀出の稽古が意味を持つようになるのだと思う。

斬法研究では様々な刀を使用する。一つの刀を愛用することはもちろん大切だが、刀を取っ替え引っ替えして持った瞬間にその刀の特性を見抜き、斬法(きほう)を適用し、刀法に活かす。

そうやった様々な条件で実験を繰り返すことによってそこにある普遍性を炙り出そうとする。

飽くなき探求の道、それが斬総研の活動方針でもある。

斬総研決起集会

去る2017年9月22日(金)。

斬総研立ち上げの中心メンバーで決起集会を行った。

詳しくは斬総研公式サイト(準備中)にて報告するが、とりあえず私の斬り初めの模様をダイジェストで。

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