経営哲学

コンサル不要論【概論】

【読了の目安 : 10 分】

経営コンサルタントから経営戦略家へ

最近、名刺の表記を経営コンサルタントから経営戦略家に変更した。コンサルタントという「あり方」に違和感を感じ始めたからだ。そもそも自分はコンサルタントなのか。やっていることといえば、いわゆる一般的なコンサルタント(専門家)たちと根本的に違う気もしている。

わたしの仕事はどこまでも川上、しかも源流を扱っている。そもそも論から入り存在意義の定義から入る。しばしばそれは今までのあり方を全否定(破壊)することから始まり、まったく異質なものへと生まれ変わらせる(変態)。トップの示す漠然として、モヤっとした方向や意図を、スカッと具体的に一綴りのコンセプトに仕立て上げ、伝え、周囲を惹き込んでいく。起源において戦略の確立をし、戦術の選択を行っていく。

そうすると一般的なコンサルタント(専門家)はわたしにとっては、選択肢の一つであり、仕事の発注先でしかない。このとき、わたしは発注者(経営者)の代理人としての立場でプロジェクトをマネジメントしている。これは戦国時代における軍師であり、近代的には参謀である。

経営コンサルタントの仕事と経営戦略家の仕事

さて、コンサルタントほど得体の知れない職業もない。保険屋ではないが、コンサルの名刺を出したり、コンサルだと名乗った瞬間から相手のATフィールド(ヒトのもつ心の壁)が全開になるのを感じる。

極稀に、サービス精神旺盛でコミュニケーション能力の高い方の中には、「コンサルってどんな仕事するんですか?」「売上を上げるんですか?」「集客するんですか?」などと聞いてくださる方もいるが、どれも正しくてどれも的を射ていない。

売上も集客も問題解決・目標達成・理想実現のための手段にしか過ぎず、提供役務の枝葉末節にしか過ぎない。

つまり、コンサルタントの仕事とは、一般化・抽象化すれば、あなたの問題解決・目標達成・理想実現のサポートにほかならない。もっと単純化すれば一口に「問題解決業」である。このとき、わたしはそのための最適な戦略を立案し、適切な戦術を取捨選択するコーディネーターとして機能している。

ところで、問題解決業と括ってしまうと、あらゆる業種業態がこれに含まれることになってしまう。なぜなら、ビジネスとは、なんらかの手段で顧客の不平不満・不便不足・不快不安を解消するものだからである。

それが各業種業態によって、さまざなま商品やサービスとなって、金銭と価値の交換が行われているのだ。

経営コンサルタントの仕事とは、顧客の直面する問題によって臨機応変に変わるものと思われているが、実は、変わっているのはプロジェクトの内容や規模であり、仕事内容は変わっていない。もちろん、クライアントによっては要不要の業務もあるだろう。しかしながら、それはある決まった枠組みの中での組み合わせにすぎない。

一方で、経営者の代理人としての経営戦略家の仕事とはまこと臨機応変なものだ。ケースバイケースで戦略目標を達成するための戦術チーム(コンサルタントを始めとした専門家チーム)を編成しなければならない。しかも、限られた経営資源の中で。多くの経営コンサルタントがサービスによって役務提供を一律料金で行っているのは、提供サービスが一律であり臨機応変ではないからだ。

このように、経営戦略家の仕事とは、事業全体に及んでおり、それはおよそ下記の問題解決のプロセスを経ることになる。

問題解決のプロセスと必殺技の落とし穴

問題解決の基本的なプロセスは、

  1. 問題提起
  2. 情勢分析
  3. 戦略の確立・確定
  4. 戦術の立案・決定
  5. 実行・点検・修正

を点検と確認をしながら行う粛々として地味なものである。

あなたがもしコンサルタントという存在に「派手な印象」を持っているのだとしたら、ブランディングされた、あるいは、話題となりそうな必殺技を携えている一部のスターコンサルタントのイメージかもしれない。

しかしながら、この必殺技が落とし穴である場合がある。

コンサルタントの見分け方

それは個人の評価に過ぎず、事実ではないという点で、コンサルタントを良い悪いという二面で捉えたくはないが、自社にあっているかどうかの判断基準として、見分け方の目安を提示することは価値があると思っている。

経営者として、外部のコンサルタントに業務委託したり、自身が経営戦略家として顧問先の指導にあたる際に、心がけているポイントが3つある。

  1. 目的第一・手段第二
  2. 事実起点・実践実験
  3. 成果約束・業務貢献

それぞれ対立する概念ではなく、優先順位であり心構えである。しばしば、これが逆転してしまっているコンサルタントがいるので、それを見分けるために提示しておく。

1. 目的第一・手段第二

手段の目的化は最悪だ。目的は常に手段に先行し、手段は目的に追従する。不可逆的なものである。しかしながら、手段が先行し、目的が後付になっていることが枚挙に暇がない。

たとえば、●●法と手段をウリにしているコンサルタントには注意が必要だ。誰が提唱したのか、専門特化することで一点突破という幻想を信じ、自分の得意な手段、たとえば、ホームページやSNS、ブログ、メールマガジン、名刺、手紙、営業、マーケティング、チラシ、コミュニティ、などなど、集客(それ自体が手段)のための手段の専門家を名乗っている人たちのことだ。

彼らの目的の一つに、「集客」を実現することがあるが、今さっと記述しただけでも、一瞬にして10個以上の集客方法が、それぞれ細分化してもっと専門特化していけば、さらに5倍10倍の集客方法がみつかることになる。

集客という目標を達成したい場合には、100以上ある選択肢のなかから、自社のリソースや強み、戦略に応じて、最適な方法論を取捨選択し、場合によっては複数を組み合わせ無理なく実行すれば良いのであって、集客の専門家を名乗っておきながら、得意なのはブログなんです、という専門家に業務を依頼してしまった場合、十中八九自動的にブログをやる羽目になる。

そもそも集客という事自体が何らかの目的ために達成されるべき目標(手段)なのであって、目標達成するために手段を限定することは成功確率を著しく損ね、目標達成を困難にする原因となる。

したがって、手段の押し売り・手法のバーゲンセールには気をつけねばならない。これが必殺技の落とし穴の正体だ。

まずありきは自社のあるべき姿であり、自社の事業が何であり、社会のために何をどう為すべきかの確認だ。それ踏まえてその理想状態を実現するための問題提起である。

2. 事実起点・実践実験

問題提起がなされたら、その問題の全体と本質を掴むために、情勢分析をしなければならない。これはどこまでも事実オリジン(起点)で行われるべきで、勘ピュータによってはじき出された「閃き」には注意が必要だ。

そもそも、問題というのはそれをとらえる立場によっても変わる。どの立場にとってどういう問題なのか、どうなれば問題解決となるのかを慎重に検討しなければならない。

●●理論とか●●セオリーとか、たまたまうまく行った手法にマーケティング的にネーミングとブランディングを行い、布教するコンサルタントがいる。

うまく行った事例のようにあなたにもジャストフィットすれば幸運だが、必ずしもそうでないばかりか、大抵はうまくいかないものだ。なぜなら、いかに優れた手段であっても、あなたの根本戦略に先行することはありえず、戦略に従わざるを得ないから、それがもっとも効果的に機能するよう、常に調整が必要だからだ。つまり、理論やセオリーは、ある一定の条件を満たした場合に有効なのであって、それ以外にはまったく効果を発揮しないばかりか、間違って採用しようものなら、赤字を垂れ流す結果となる。

ところが、手段の押し売り・手法のバーゲンセールをするカリスマコンサルタントは、自身の開発したその方法論で多数の成功者を排出しているのだから、実績がでないのは方法ではなくあなたが悪いと言い切る。そんなことはないが、あなたが悪いとすれば、自身や自社にジャストフィットしない手段・手法を選択し、やると意思決定してしまったことだ。

したがって、戦術の立案と確定をする場合には、数ある手段・手法の中から、戦略に沿っていて、事実に根ざし、実践によって繰り返し実験されながら、ジャストフィットの方法を確立していく必要がある。まさにフェラーリ(最高)よりフィット(最適)の考え方だ。

3. 成果約束・業務貢献

コンサルタントにかぎらず、あらゆるサービス業に共通するが、顧客の問題解決が仕事である以上、単に業務を遂行したからという労働ベース・作業ベースの考え方で報酬を得るべきではないと考えている。

たとえば、当社の場合、とあるWeb業者のホームページの制作を依頼したことがあるが、仕上がりもそれによってもたらされた成果も、とても不満足なものであったので修正を依頼したことがある。ところが、作業ベースでここまではやったので、これ以上は「追加料金」をもらわないとできない、と言われた。

これは当たり前だと思うかもしれないが、その当たり前こそが危険なのだ。

なにもこれは、コンサルタントをはじめ、あらゆるサービス業が成果報酬であるべき、という主張ではないのでくれぐれも勘違いしないでいただきたい。

あくまでも、成果に責任をもって仕事すべし、という心構えを述べているにすぎない。

しかしながら、以来、当社では顧客の問題解決のために成果(目標達成)を約束し、業務はあくまで貢献として提供することをスタンダードにすべく認識を改めた。

あなたがサービスを利用する顧客の立場であったとして、成果を約束する業者としない業者、あなたはどちらに仕事を依頼したいだろうか。

コンサル不要論とは

コンサルタントの見分け方の基準を示したところで本題に入る。

元コンサルタントでありながらコンサル不要を唱える理由とは、当社創業の理念に遡る。

わたしは、大手コンサルティングファームの雇われコンサルタント時代に、山ほど問題を抱えて廃業寸前の店舗や企業ばかり、気づけば2万件以上の経営相談を行ってきた。

問題の100人組手を200ラウンド。

数稽古をこなすうちにごく自然と問題解決の型が身につき、問題解決思考が常態化。2,3言葉を交わせば相手が抱えている問題が何か、電話越しでも分かるようになってきた。

ここで得た知識と経験を元に、理論と実践を体系化。顧客の問題解決・目標達成・理想実現をサポートすべく、それを通じて「いいヒト・いいミセ・いいカイシャをつくる」株式会社コンセプト・コアを設立した。

今も変わっていないが、わたし自身がコンサルタントとして顧客企業に入り込み、問題点を発見、提起し、解決策を立案、実行・検証のサポートをしていくスタイルでスタートした。

しかしながら、仕事を依頼してきてくださった経営者はともかく、従業員は、外からフラッと現れたコンサルタントの意見になど聞く耳を持たない。

(*これは一般論であり、当社の場合、御陰様で素晴らしい顧客先に恵まれそのようなタフな状況は滅多にない。)

そこで、従業員自らが問題を特定し、解決策を立案し、実行検証していくための戦略会議を開催した。当社はその全体のファシリテートと問題解決・目標達成・理想実現まで全工程のサポートに回ることにしてみた。

どこの馬の骨とも分からない「専門家」がああしろこうしろと立案した戦略ではなく、自分たちで自力で考え絞り出した作戦には、人はコミットするもので、これが想像以上に功を奏した。

問題解決の思考法に慣れてくると、どんどん自分たちで問題を見つけては、どうすれば解決できるか考えるようになる。こうして次々と、しかもスピーディに問題解決をしていけるようになり、企業は内側の人とともにめざましく成長を果たし、まさに、いいヒト・いいミセ・いいカイシャを実現したのだ。

わたしは確信した。

問題解決とは一種の思考法であり、練習次第で誰もが使うことができるようになる。問題解決思考を身につけた人材を育てることで、自分たちで問題を解決していくことができる。そうすれば、コンサルタントは不要になる、と。

こうして「コンサル不要論」を提唱した。

2014年より人々の生活をよりよく理想実現するために、顧客先だけではなく広く外部へむけて、いろんな専門分野のいろんな会社の人を集めた社外オープン会議「戦略会議」(現・達成会議)を発足。

参加者の問題解決・目標達成・理想実現を参加者全員でサポートすべく、毎月定期開催して問題解決思考を普及している。

▼達成会議について詳しくはこちら

達成会議|あなたの問題解決・目標達成・理想実現をサポートする

達成会議のミッションとビジョン

達成会議のミッションは、人々の生活をより良いものとするために、自分で問題解決できる人を増やすことだ。問題の解決とは目標の達成であり、目標の達成とは理想の実現である。

当面の目標は、毎日どこかで達成会議が実施され、毎日数多くの問題解決がなされている状態を実現することだ。

人々の理想が実現した素晴らしい社会、それが達成会議が最終ゴールとし実現すべきビジョンに他ならない。

達成会議の展望と展開

達成会議は、ファーストステージとして参加者の問題解決を行っていく。参加者を増やし、開催場所、回数を増やしていくことで問題解決の拡大を図る。

セカンドステージには、全国の達成会議の参加者が、自身の所属する組織で達成会議を実施し、自社の問題解決を行っていくことで業績の向上を図る。

サードステージでは、達成会議参加者の中から、達成会議を自主開催するファシリテーターを全国各地に養成し、各地で問題解決を行っていく。当社はファシリテーターのサポートに回っていくこととなる。こうして、日本全体の問題解決を通じて景気向上に寄与していく。

この理想実現に共感協力してくださるパートナーや参加者を常時募集している。

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  1. 2014年 8月 19日

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